横型抵抗加熱式真空蒸着装置

横型抵抗加熱式真空蒸着装置写真資料                              
      

横型抵抗加熱式真空蒸着装置仕様書> 
《1.概要》

<1.1機種>
横型抵抗加熱式真空蒸着装置


<1.2型式>
VCD-1200

<1.3目的・用途>
本装置は抵抗加熱電極を横にすることにより、フィラメント、バスケット及びボートによる抵抗加熱蒸着ができます。

<1.4装置特徴>
(1)本装置は、扉側より基板治具機構の取り外しを行います。

(2)成膜(蒸着)は、
高真空排気(拡散ポンプによる排気)で行います

(3)低真空ボンバードを行います。

(4)ワーク治具機構は、自公転回転ドラムで構成されます。回転ドラムには、ユーザー様指定のワークが装着できます

(5)カレンダータイマーにより自動起動が可能です。




《2.性能》

<2.1ワーク>

(1)ワーク:指定金属部品

(2)装着可能サイズ:ワークサンプルによる。

(3)装着数:ワークサンプルによる。

<2.2蒸着>
(1)方式:抵抗加熱方式

(2)蒸着物質:抵抗加熱で蒸着可能な薬品
※蒸着物質は抵抗加熱蒸着できる物質とできない物質があります。

<2.3真空排気>
(1)到達圧力:24時間以内に8.0×10
-4Pa以下

(2)排気時間:5.0×10
-3Paまで約40分以内
※(1)、(2)とも真空槽清浄な状態で、ワーク、ワークホルダ無挿入、室温の状態です。
※お引渡し時の性能です。

<2.4制御>
(1)シーケンサとタッチパネルを主体とし、ハードウェアにて制御します。

<2.5運転概要>
(1)自動運転
※下記工程を自動で運転します。
(a)粗引き排気:粗引き排気します。(拡散ポンプ排気可能な真空度まで真空槽を油回転ポンプ及びルーツ真空ポンプで真空引きします。)
※この時、ボンバードを行うことも可能です。
(b)高真空排気:高真空まで排気します。(拡散ポンプの排気により、蒸着可能真空度5.0×10-3Paまで排気します。)
(c)蒸着:Cdを自動蒸着します。
(d)大気リーク:蒸着終了後、大気圧までリークします。

(2)手動運転:自動運転で示した各工程を確認しながら順にタッチパネルにて操作を行えます。

(3)保守運転:ポンプ、バルブ等の各機器を単独で操作できます。インターロックは、装置保護及び安全に必要なもののみとなります。


《3.構成》

<3.1真空槽>
(1)真空槽
(a)材質:SUS304
(b)真空槽本体寸法:Φ1200mm×1500mm(内寸)
(c)監視窓:Φ115mm:2式
(d)ゲージポート:各機器サイズ:各真空計取付け用1式
(e)内部防着板:SUS430:2式

(2)架台
(a)材質:鉄製(塗装仕上げ)
※塗装色は指定可能です。

<3.2排気機器>
(1)真空排気ポンプ
(a)油拡散ポンプ(22インチ):型番:ESV-22S:メーカー:芝浦エレテック:2式
(b)メカニカルブースターポンプ:型番:PMB012A:メーカー:ULVAC:1式
(c)ロータリーポンプ:型番:VS2401:メーカー:ULVAC:1式
(d)オイルミストトラップ:型番:TM-4:メーカー:ULVAC:1式
(e)冷凍機:型番:PFC-552:メーカー:Brooks:1式

(2)バルブ
(a)メインバルブ:22インチ空圧作動L型バルブ:2式
(b)粗引きバルブ:6インチ空圧作動L型バルブ:1式
(c)補助バルブ:6インチ空圧作動L型バルブ:2式
(d)スロー粗引きバルブ:1インチ空圧作動L型バルブ:1式
(e)リークバルブ:1インチ空圧作動L型バルブ:1式
(f)スローリークバルブ:1インチ空圧作動L型バルブ:1式
(g)ゲートバルブ:4インチバット式バルブ:1式
(h)マイスナートラップ:真空槽内部:1式
(i)水冷バッフル:1式
※ゲートバルブは真空槽リーク後、真空槽内カドミウム排気用バルブです。
 ゲートバルブ後は、ユーザー様にて排気ダクトを取り付けてください。

(3)排気配管
(a)材料:SUS製:6インチ

<3.3基板機器>
(1)基板装着ドラム
(a)自公転機構ドラム:2式
(b)装着数:基板サイズによる。
(c)治具:2式

(2)基板ドラム回転機構
(a)数量:1式
(b)駆動方法:モータ駆動:1式
(c)回転制御:インバータ制御
(d)公転回転数:2~15rpm
(e)真空シール:磁性流体シール

<3.4成膜機器>
(1)蒸着機器
(a)電極数量:各ドラムに1式
(b)抵抗加熱蒸着用トランス:10V、40KVA:1式
(c)フィラメント取付金具:各ドラムに1式
(d)電流導入端子:真空槽に1式
(e)バリタップ:1式
(f)抵抗加熱用ボート:消耗品
(g)蒸着材料:Cd:消耗品

<3.5基板表面処理機器>
(1)ボンバードユニット:1式

<3.6ガス導入機器>
(1)アルゴンガス制御機器
(a)流量制御機器、仕切バルブ:マスフローコントローラ:メーカー:Azbil
 アルゴンガス最大流量500sccm:型番:MQV9500
(b)アルゴンガス用配管:SUS316製BA管:スェージロック継手:1式
(c)電磁弁:メーカー:CKD製:1式


<3.7真空計測制御機器>
(1)真空計
(a)複合真空計:型番:PKR251:メーカー:PFEIFFER:1式
(b)ピラニー真空計:型番:GP-1SRY:メーカー:ULVAC:1式
(c)真空スイッチ:型番:ZSE40-01-22-M:メーカー:SMC:2式

<3.8制御盤・配線機器>
(a)制御盤:1式
(b)配線用ダクト:1式

<3.9水圧、空圧ユニット>
(1)水圧ユニット:水冷ヘッダー・ボールバルブ・水圧センサー・ホース:1式
(2)空圧ユニット:マニホールドユニット・空圧センサー・ホース:1式


《4.安全装置》

<4.1冷却水系>
断水時、事故、故障の原因となる機器があるため、排水側にインターロック用の水圧センサーを設けて水圧低下時、ブザーが鳴り、機器の動作は停止します。

<4.2圧縮空気系>
エアー導入口にプレッシャースイッチを設け、0.35MPa以下になるとエアー圧力低下の検出を行い、すべての動作を停止します。

<4.3真空排気系>
ロータリーポンプが停止すると制御電源が切れ、すべてのバルブが閉じます。真空槽扉のドアスイッチがONされていないと排気操作はできません。

<4.4蒸発源系>
抵抗加熱は真空槽が真空でないと操作できません。

<4.5停電対策>
停電時は、すべてのバルブは閉状態(全閉)となります。

<4.6漏電対策>
本装置には漏電ブレーカーが設けてあります。


《5.設置条件》

<5.1ユーティリティー>
(1)電源
(a)装置本体 三相:200V/220V 50Hz/60Hz 約55.5KVA
       単相:200V/220V 50Hz/60Hz 約40.0KVA
(b)装置用アース:D種接置

(2)冷却水
(a)供給圧力:0.2~0.3MPa:冷却水入り口の差圧は0.2MPa以上
(b)水量:約99L/min(水温19℃~26℃)
(c)接続口:入口PT1・1/2インチ(カンタッチ)
     :出口PT1・1/2インチ(カンタッチ)
注)水質は、市水程度とします。(PHは6.0~8.0の中性)
注)水温が室温より低いと結露する場合があります。

(3)駆動機器用圧縮空気
(a)圧力:0.5~0.8MPa(gauge)
(b)接続口:PT1/2(メネジ)
注)油分、水分を含まない、清浄な乾燥空気を供給してください。

(4)排気ダクト
(a)接続口:4インチソケット付
※油回転真空ポンプの排気口(オイルミストトラップ)より油煙がでます。この油煙を排気ダクトで工場の外へ排出します。

(5)設置環境
(a)設置場所:平坦で水平な場所(4mm以下)、装置をアンカーボルトで固定できる床圧及び強度があること。
(b)床対荷重:1.2t/㎡
(c)使用環境周囲温度:15~25℃
(d)周囲湿度:60%RH(相対湿度)以下の範囲で結露なきこと。
(e)その他:直射日光の当たる場所、強い磁場を発生する装置の近辺や、埃の多い場所、振動のある場所は避けてください。

(6)消耗品
(a)蒸着材:Cd他
(b)抵抗加熱用ボート:材質タングステン、モリブデン

(c)定期オーバーホール部品、その他

<両扉式抵抗加熱真空蒸着装置参考レイアウト図> 
図1:平面レイアウト 図図1:平 図1:レイアウト図

▲PAGE TOP